でザイナーらしからぬ

でなりの雑記。ツイッターで済ませたくないこと書くとこ。

(あえて) フラーをやめて、GraffityでARエンタメをやります

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SNSの写真が急に意識高い系丸出しになりました。でなりです。w

最近noteを始めたのですが、こういう私事ははてなに書こうと思います。

note.mu

三年ちょい勤めた フラー を退職し、 Graffity という会社に入ることにしました。

前回の「j高専→F高専」みたいに「F高専卒業→G」ぐらいの書き方でも良かったのですが、いろんな気持ちの整理がしたくなったので書きます。

フラーに入るまで

僕の人生って本当に計画性がなく、勢い重視のものだったのですが、それは昔からそうでした。 楽しそう!と思うととりあえずやってみる主義で、高専祭実行委員会に入ったりしては、昔から同級生に大迷惑をかけたりしていました。

今の仕事であるデザインに触れたのも、楽しそうだったから。

勢いに任せたまま都内のITベンチャーでのインターンを経て、プログラマーをすることになります。 エンジニア時代は社長直下の小さな部署で自由にやりたい放題開発できたのですが、どうしてもその環境だとデザインができない、となってしまいました。

そこで自分はデザインができる環境を探すことに。 まずは仕事ではなく、なにか別の形でデザインをする機会を作ろうと模索していました。


自分は本当にたのしいことが好きで、kosen10s というコニュニティづくりをしたり、福井県のイケてるIT界隈の勉強会を見つけたら全部参加するようにしていました。

このときほど「フットワーク」を徹底していたころはなかったと思います。このあとこの癖が本当にエスカレートしていき、最終的には 金夜にバスで東京へ行き、日曜の夜行バスで帰ってオフィス直行… を毎週繰り返していました。

お金がなくなったので毎食カップ麺を食べていたらこじらせ、カップ麺のパッケージを見るだけで気分が悪くなる日々。 そんな風になりふり構わずともかく行動しているときにリプライをくれたのが、フラーのCTOでした。

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(え、すごい、こんなしょーもないやり取りで入社することになったの…)

このときに行った飲み会で同席していた、フラーCOO・CCOの櫻井さんが、僕の入社のきっかけでした。 万物にデザインは宿る、そんなはなしを櫻井さんとしたと思います。

当時podpatchを2,3周に渡って聞きまくり、死ぬほど意識が高かった自分は櫻井さんにメロメロ。 デザインの考え方をこの人に教わりたい!そう思ったのをきっかけに、フラーに入社するのでした。

フラーでの経験は良かったな、という話。

友人に恵まれ、 id:puhitakuryomaaraya はもともと友人だったけど入社後もすごく良くしてくれました。 takumi_funasaka とは退職後も引き続き Soshikiz を一緒にやっていこうと言えています。 フラーに入った直後、関西の友達も福井の先輩方も縁が薄れてしまって悩んでました。自分のコミュ障を悩み眠れなかったことも。

そんな自分が、退職間際には色んな人に「最後に飲もう」と誘っていただけ、忘れられない話を沢山させていただけました。 先輩後輩問わず。うれしかったです。


キャリア視点からも自分は恵まれていました。

フラーは「国内No.1アプリ分析サービス」をうたうApp Apeというサービスを運営していますが、そのApp Apeのリードデザイナーを任せていただけました。 入社時に憧れていた櫻井さんを始め、超有能なデザイナーの先輩方から引き継ぐ形での職務でした。

はじめのころは、自分がつくったものはなんかダサい。ユーザーインタビューへ行っては話をうまく聞けない。そんな状況でした。 3年やったらさすがに実力は上がったのかなと思います。

貴重な機会もたくさんあったなと思います。

  • アサインされて最初の数週間、櫻井さんと一緒にApp Apeのリニューアルを行ったとき。今のSaaSデザイン勘の一番大事な部分を養ったなと思います。
  • チームにカンバンが導入されたとき。プロダクトの開発工程に関する知識がかなり一気について貴重でした。
  • 創造チームといって、デザインスプリントを毎週回すチームを内部でつくったとき。デザインスプリントの感覚は今でも活きるものがあり、デザイナーとしての力はたくさんつきました。
  • App Apeにクレジットカード決済機能をつけたとき。考えることが永遠に出続け、一つずつ真正面から倒し続けたあの時期に機能設計能力がメキメキ付きました。
  • アメリカ人のメンバーと一緒に仕事をしたとき。相手も日本語を使えるけど毎日英語を使って仕事をしたらなんか上手くなりました。多分。

最終的には、デザイナーとして職種役員というポジションをいただけました。 社内で「VP of Engineering」みたいな役割を各職種で設けたい、となったときにデザイナーとして声をかけていただけました。 名前の割には大層な仕事はなく、社内のデザイナーの能力評価が主な役割でした。でもせっかくもらったポジションだったので、たくさんの仕事を自分で作りました。

中でも一番良かったと思っているのは「FULLER DESIGNERS TRAINING HOUR」という取り組みを行えたことです。 内容はすごく単純。週に一回、社内デザイナー勉強会を行う。隔週で「自習→超ゆるいLT会→自習…」を繰り返すだけの話なのですが、これがすごくワークした。 この話はまたnoteに書こうと思います。

24という年齢で、70人規模の会社のデザイナーをリードし、能力評価を行えるのは大きな経験でした。 勉強会を実施して社内のデザイナーの文化づくりをするというのも価値のある時間でした。


正直自分としては、三年面倒を見たApp Apeが世界的なプロダクトに成長させたかったなと今も思っています。

デザイナーの職種役員としての役割ももっと広げていきたかったし、会社としても今よりワークさせたいポジションだっただろうから、残っても楽しかったろうなとおもいます。

何より、B2B SaaSのデザイナーとして、役職持ちデザイナーとして、成長できる環境が揃っていたのですが、僕はここであえてやめることにしました。

Graffityに行く理由って?

フラー在職中に、母が末期がんにかかりました。

末期がんを知った姉からはじめて連絡が来た時をよく覚えてます。フラーのベランダで電話に出て。 そのあと仕事をしようとおもって椅子に座って、何も動けないまま手が震えて。 気がついたら3時間経っていて驚きました。

がんを知った後、福井に住んでいたときにしていたように 金夜にバスで地元へ行き、日曜の夜行バスで帰ってオフィス直行… の生活をしました。 それでも驚くスピードで母はみるみる弱っていき、転院していわゆるホスピスに入った際に、何も考えられないのに胸だけが苦しくなったのを覚えています。


今の病院って、本当にいざ、となったときにはドラマみたいに心電図がついてることはなくて。 ピッ、ピッ、ピー… とはならず。呼吸音がなくなったら、あ、亡くなったのか…と初めて分かる様になっていました。

最後の数時間、家族全員が泣いていたようにおもいます。 最後の一息をフッと吐いたとき、兄も姉も大泣きをしていたのですが、僕は泣くことはなく。

すごく寂しくて苦しかったのですが、一切涙だけは出ることがなかった。


ところが母の葬儀のとき。 葬儀場の席数をビッチリ埋め尽くす参列者のみなさんが、最期に母の棺に花を沢山入れてくれました。

「こんな思い出があったね」と話しかけてくださる皆さん、花でいっぱいになった幸せな棺。

「この人の人生は、こういう人生だったんだ」と思ったときに、人生で一番泣いて。


その後1年ぐらい経ったときに、学生時代のインターン先であるランサーズのメンター陣とお話をすることに。 あまりにも自分のなかでボコボコにされて話すのが億劫になり、お礼の連絡がその時にできなかったのを未だにすごく後悔しています。

でもそのときにお話してもらった「結局人生でどういう風に人を幸せにしたい?」という話をしてもらえたことが、最終的にGraffityに行くきっかけになったと思います。


ぼくは自分の人生で 「あの瞬間楽しかったよね!」と振り返られる思い出をみんなにつくってあげたい と思っています。 それは一番大きかったのは母の葬儀での出来事。ああやって見送ってもらえる幸せな人を増やしたい。

僕の信じてるITのチカラを使えば、きっとできる。

そう考えている中でGraffityというスタートアップに出会いました。 Graffityは、ARでリアルを遊ぶ会社。僕はその遊びづくりを通じて、人に思い出を作りたい。 それができる環境だと確信が持てたので、Graffityに入ることにしました。

あとがき

ここまで自分の人生をただ整理しただけのブログでしたが、書けてよかったです。読んでくださってる方がいてくれたら、ありがとうございました。

Graffityに入社して一週間、ARエンタメで絶対ひとつでも多く思い出を生みたい一新でデザインに取り組めています。

これからも自分の人生でやりたいことができるよう、Graffityとともに日々成長していければと思います。



P.S. Unityエンジニア、Rails エンジニア、募集してます! ARでリアルを遊ぶ僕らと一緒にものづくりができる方がいればぜひ声かけてね!

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追記

Graffityからリリースが出ました!こんな感じのデザインをいましています! ぜひ友達と遊びに来てくださいね!

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